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専門的な内容を含みます
高血圧の病態と降圧薬の選択
病態に応じた降圧薬の使い分けについて、より専門的な内容を解説します。
降圧薬の選び方
高血圧の治療では、患者さんの病態に合った降圧薬を選ぶことが重要です。JSH2025(日本高血圧学会ガイドライン)では、従来の4種類の基本薬に加え、新しいグループの薬剤が位置づけられています。
基本の降圧薬(Group 1)
| 薬剤 | 代表的な薬 | 主な作用 |
|---|---|---|
| ARB / ACE阻害薬 | オルメサルタン、テルミサルタンなど | レニン・アンジオテンシン(RA)系を抑え、血管を広げる |
| Ca拮抗薬 | アムロジピン、ニフェジピンなど | 血管の筋肉を弛緩させ、血管を広げる |
| 利尿薬 | トリクロルメチアジド、インダパミドなど | 体内の余分な水分・塩分を排出する |
| β遮断薬 | ビソプロロール、カルベジロールなど | 心拍数を抑え、心臓の負担を軽くする |
新しい降圧薬(Group 2)
JSH2025で新たに位置づけられた薬剤群です。基本薬だけでは治療が難しい場合や、特定の病態に対してより効果的な選択肢となります。
| 薬剤 | 代表的な薬 | 主な作用 |
|---|---|---|
| ARNI | エンレスト® | RA系抑制に加え、利尿・血管拡張を促すナトリウム利尿ペプチドの分解を抑制 |
| MR拮抗薬 | エサキセレノン(ミネブロ®) | 鉱質コルチコイド受容体(MR)をブロックし、塩分・水分の貯留を抑える |
Group 2 降圧薬が適した病態
これらの新しい降圧薬は、以下のような病態に特に効果が期待できます。
表現型からみた適応
早朝・夜間高血圧
夜間や早朝に血圧が下がりにくいタイプ。ARNIとMR拮抗薬の両方が有効です
治療抵抗性高血圧
3剤以上使っても血圧が目標に達しない場合。特にMR拮抗薬の追加が有効とされています
病態からみた適応
体液貯留型高血圧
食塩摂取過剰・食塩感受性が高い方に。水分過剰の是正にARNI、塩分貯留の是正にMR拮抗薬が適しています
CKD合併高血圧
eGFR低下や尿蛋白陽性の方に。腎保護効果も期待できます
前心不全合併高血圧
無症候性の弁膜症や心機能低下がある場合。ARNIは心不全の進行予防にも効果があります
MR関連高血圧
肥満・メタボ・糖尿病、原発性アルドステロン症、睡眠時無呼吸症候群など。MR拮抗薬が特に有効です
その他の合併症
痛風・高尿酸血症合併
尿酸値が高い方の高血圧。利尿薬は尿酸を上げやすいため、ARNIやMR拮抗薬への切り替えが検討されます
Ca拮抗薬による浮腫
Ca拮抗薬でむくみが出た場合の代替薬としても活用されます
当院での治療方針
当院では、患者さんの血圧のパターン(家庭血圧・24時間血圧)や合併症を踏まえ、病態に応じた降圧薬の選択を行っています。
- 家庭血圧の記録をもとに、夜間・早朝のパターンを評価
- 血液検査・尿検査で腎機能やホルモンの状態を確認
- 既存の薬で効果が不十分な場合、Group 2 降圧薬の導入を検討
- 合併症(CKD・心不全・糖尿病など)に配慮した薬剤選択